「ワキガの人の汗が体に付くと、ワキガがうつる」 「ワキガの人の近くにいるとワキガがうつる」
…このように、“ワキガはうつる”と考えている方も多くいるようです。
実際の所、ワキガはうつることがあるのでしょうか？ ワキガについて、いくつかお話していきます。
そもそもワキガはなぜ起こる？
ワキガの臭いがする原因は、アポクリン汗腺というわきの下にある線からでる分泌液と、雑菌が混じって起こります。
アポクリン汗腺から出る汗は通常の汗と異なり、雑菌が繁殖しやすいのです。
雑菌が繁殖し、腐敗・発酵されることで、ワキガの臭いが発生します。
ワキガはうつるの？
結論から言いますと、“ワキガは空気感染しませんし、触ったとしても１００パーセントうつりません”。
少なくともただ近くに居ると言うだけでは、うつることは無いのです。
また、ワキガの人の汗が多少付着したくらいでは、確実にうつりません。
万が一うつったとしたらその原因は、
- 元々ワキガ体質で合った(たまたま発症時期が重なった)
- ワキガの原因菌をわきの下に付着したまま、何日もお風呂に入らなかった
これらのことが考えられます。 ですがこれらの理由でも“うつることはほぼありません”。
また、「ワキガの人が入った水やお風呂に入るとうつる」という事を言う方も居ますが… わきがの原因菌は生命力がそこまで強くありませんし、あくまで体質ですのでうつりません。
ワキガは、“アポクリン汗腺から出た汗を、原因菌が腐敗させることによって”ワキガ臭が発生します。
それ以外でわきが臭が発生することはあり得ませんので、ご安心ください。
ワキガはウィルスではない！
まず、第一に、ワキガはウィルスではないため、人から人へ感染するような病気ではありません。ワキガを病気として扱う事はないでしょう。
ですが、ワキガは、鼻につくような、どちらかと言えば不快なにおいを放ち、他人までまきこんでしまうため、人からは避けられやすい症状と言えるでしょう。
日本人はどちらかと言えば、無臭か微香を好む傾向があるため、少しの異臭や、普通よりもちょっぴりにおうだけで、「うつる扱い」されるのは辛いですし、哀しいですよね。
海外では、ワキガに対する考え方は寛大で、子供が思春期を迎え、ワキガ体質が顕著に現れる時期に、性教育と同じように、ワキガについてのしっかりした知識やデオドラント方を身につけさせるのです。
ですから、外国人のほとんどが、幼いうちからワキガ＝うつるという誤った考え方をしません。
ワキガだけじゃない！？他の部位の臭もうつらない
わきの下のみではなく、いわゆる、スソワキガやチチガも、一時的に匂いが付くことが合ってもうつりはしません。
気になるようであれば性交渉の後、シャワーを浴びるように心がけましょう。
チチガについても、母乳をすった赤ちゃんにチチガが感染し、「赤ちゃんの口からワキガ臭がするのでは？」と慌てるお母さんもいますが、その時だけ口ににおいがついただけの話です。
また、足の裏の臭いなども、汗が原因の物であればうつることがありません。
水虫などでなければうつりませんので安心してください。
ワキガ体質を治すためには
ワキガは体質を治すことで、臭いをケアすることが出来ます。 ワキガになってしまった場合、
トランス脂肪酸を控えた食生活を送る
野菜を中心にバランスよい食生活を送ることで、アポクリン汗腺の活発化を防ぐことが出来ます。
スナック菓子などを控え、可能であればお米を中心とした食生活を送りましょう。
わきの下の汗をこまめに拭く
パッと見は普通の汗と変わらない、アポクリン汗腺からの分泌液。
こまめにわきの下の汗を全て拭いてしまうことで、ワキガ臭を抑えることが出来ます。
拭く際は除菌シートなどの、殺菌効果の高いシートを利用すると効果が高いでしょう。
制汗剤が原因になっていることも…
制汗剤が肌に合わず、アポクリン汗腺を刺激し、ワキガ臭を発生させている可能性があります。 ワキガで制汗剤を良く使うという場合は、一度使用を中止してみて下さい。
とくにスプレータイプは、勢いよく噴射するため、アポクリン汗腺を刺激すやすいのです。
だからといって、スプレーは簡単で使いやすいものです。制汗剤の中でも使用率が高いものが昔からメジャーであるスプレーです。
ベストな使い方として提案するとすれば、清潔にしたわきの下に、ワキガ専用クリームを塗って、携帯用に制汗スプレーを併用 するケアの仕方ならば、ワキガ特有のにおいを抑える事が可能です。
においの原因菌繁殖を専用クリームの段階でセーブしているため、ワキガの悩みはほぼ解消されるでしょう。
スプレーはもしもの時のお守りのような感覚で使用すれば良いのです。
衣類から衣類へ、においがうつるケースはある
もし、「うつったのでは？」と勘違いする事があるとすれば、強いワキガの人の着用した衣類と一緒に洗濯したり置いたりして、衣類に、においがついたという事でしょう。
衣類から衣類へ、においがついたという事は十分にありえます。
繊維もにおいがつきやすい種類のものであれば、ワキガ臭は、人を介してではなく、衣類を介してつく事があるのです。
この場合、うつるというよりは、においがつくと言った方が適切でしょう。
他人の吸ったタバコのにおいが一緒にいる人の衣類や髪についてしまうのと同じ感覚です。
家族がワキガだったら！？におい移りの対策
もし、家族の誰かにワキガの人がいたら、衣類の管理には気を使うべきでしょう。
ワキガのにおいが強ければ強いほど、服類にワキガ臭がついたり、黄ばんだりもします。こうした原因菌は、漂白剤などの酵素系洗剤を利用し、他の家族の衣類に、におい移りしないようにしましょう。
ワキガ臭の強く出ている部分をつけおきしたり、こすり洗いしたりする事で、繊維にしみついたワキガ臭を除去できます。
また、生乾きになりやすい部屋干しは、菌が繁殖しやすく、ワキガの菌と混じりあって、余計ににおいを悪化させるため、天気の良い日は太陽に当てて乾かすなどして、ワキガの菌をしっかり除菌してあげたいものです。
ワキガ比率の低い日本人だからこそ知っておくべき！
ワキガ人口の比率が低い日本人は、ワキガに対しての知識が乏しいものです。
ちなみに、海外のワキガ人口率は、全人口の80%ほど、日本人は10%ほどです。
国内では、わきがでない人の方が多いため、ワキガの話はタブーのような風潮もありますね。
ワキガについての情報をあまりオープンにしない傾向も…ワキガはうつるという誤った考えを植え付けやすいのです。
こうした、ワキガに対するタブーが、差別に発展してしまいかねません。
将来の自分のパートナーが、生まれてくる子供が…ワキガであった場合にも冷静な判断ができるようにワキガの知識を深めましょう。
他国ごとではない！？日本のワキガ事情
国内でのワキガ人口が海外と比較しても少ないとはいえ、ここ数年間は国際結婚や、食の欧米化などで、ワキガを発症する人は増えています。
そろそろ、ワキガについても他国ごと…として片付けてはならない状況にあるでしょう。
そして、その中でもモラルにかかわるような、「ワキガはうつる」という考え方は改めなければならないでしょう。
また、国際化がすすむ中、ワキガ症状のある外国人もたくさん日本に在住しています。
そのような人達が他人の目を気にせず、生活できるようにするためにも、ワキガに対する正確な知識は必須なのです。
まとめ
ワキガは、特別な疾患やウィルスなどとは全く関係のないものです。
ワキガがうつると勘違いしてしまう理由は、だいたいが衣類を一緒にしてしまう事で、においがついてしまうという現象なのです。
ワキガについて無知であればあるほど、ワキガについて誤った固定概念をもってしまい、知らず知らずのうちにワキガの人を傷つけてしまっているのかもしれません。
ワキガはうつることも、うつすこともありませんので、安心してくださいね、