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ピロルリアはワキガの原因になるの?国内での検査方法は?

ピロルリアって何?病気の名前なの?

 

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体臭を少しでも消したい!と、あれこれ情報収集していると、ピロルリアという「病名のようなもの」に行き当たりました。

ワキガは病気で、その別名ということ?なら治せるの?と思ったのですが、そういうことではなさそうです。
どうやら、ピロルリア(別名:ピロール尿症)とは、現在の医学界では「これは病気である」と正式には認められていない「仮の病気」という扱いのもののようです。
体を洗っても、汗をかくとすぐ独特の臭いに変化する、これが病気や、病気と疑われるものであるというなら、ぜひ治療して欲しいと思ってしまいます。

ピロルリアとは一体何なのか?
ピロルリアとワキガは何か関係があるのか?素人がわかる範囲で調べてみました。

ピロルリアとは、仮の病名

仮の病名…って一体どういうこと?と、とてもわかりにくいので、wikiから引用します。

ピロール尿症(pyroluria ピロルリア)
ピロール尿症
は、不適切なヘモグロビン合成により体内でピロールが過剰なレベルになるという仮説の疾患である。
カール・ファイファーは、統合失調症患者のポルフィリン症を形成し、ヒトの尿中に大量のピロールとポルフィリンが排泄される急性間欠性ポルフィリン症に似ている症状であると信じている。ピロール尿症はビタミンB6と亜鉛を枯渇させるとされる。

引用: フリー百科事典ウィキペディア(Wikipedia)

読んでも意味がよくわからないし、ワキガとの関連もよくわかりません。
カールファイファー博士の主張について、もう少し調べてみました。というか、この人は何者なの?


カール・ファイファー博士(1908/3/19– 1988/11/18)は、アメリカ出身の医師で、生化学者でもあり、ノーベル賞を2度受賞した人
です。

博士は、精神疾患の治療に携わるなかで「ミネラルやビタミンなどが不足することで、身体だけでなく心のバランスが崩れるのではないか?」といったような点に着目し、研究をした人です。
その研究発表の1つが「ピロール尿症(ピロルリア)」という病気(のような)症状。

博士は「精神疾患者の尿には、通常よりもたくさんのクリプトピロールという成分が出ている」という仮説を立て、多くの検査を経て、自分の予想があっていると確信します。
クリプトピロールとは、血液の成分であるヘモグロビンを体内に作る時にできる成分で、体外に排出されたときには黄色く、独特の異臭を放つ物質のようです。
それが、過剰に作られても尿で出てしまうなら病気ではないのでは?と思ってしまったのですが、クリプトピロールは体内の亜鉛などを吸着させて、一緒に体外に排出させてしまう性質があるようなのです。
本来、必要な栄養成分まで体外に尿として出してしまうため、ビタミンB6や亜鉛が足りなくなります。

なので、うつ病や精神の病気を持つ患者に、欠乏したビタミンB6や亜鉛を投与すれば、精神疾患が改善するのではないか?と博士は考えたわけです。

心と体はつながっていますよね。
メンタルヘルスと、食べるものや摂取するもの関係は密接、というのは、今なら多くの人が納得しそうなものですが、カール ファイファー博士は、100年以上前に生まれて、20年以上前に80歳でこの世を去った人。
体内の栄養不足と精神疾患の関連どころか、精神疾患は遺伝、直すようなものではない、というような風潮だったのかもしれません(想像ですが…)。

もしそうなら、体内のミネラルバランスを整えればメンタルヘルスの改善や向上につながるなんていう博士の主張は、荒唐無稽にみえますよね。
博士の主張は、検査の精度などを争点に、同意する学者、懐疑的な学者の間で大きな議論となりました。

「精神疾患のない人と、ある人の尿を比較してみたけれど、そんな結果にはならないぞ!でっちあげだ!」と反論する研究者が出ます。
そうすると、今度はそれに対して「クリプトピロールは、空気に触れるとすぐ変質してしまうのだから、正確な判定は難しいはず、そちらの検査こそいんちきだ!」と、博士を擁護し反論する研究者も現れ…議論は乱れに乱れたまま、現在に至るようです。

そういうわけで、現在の医学界では「はっきりと認め切れていない」ため「仮説の病名」という言い方になるようです。

ビタミンや亜鉛といった栄養素は、たとえばセロトニンなどの生成にも重要な役割を果たしますから、クリプトピロールが体に必要な成分も巻き込んでおしっこになってしまうのであれば、体内リズムがくるって不眠などが怒ったり、うつなどの症状を起こしやすくなりそうな気がしますが…。

クリプトピロールってどんな臭い?成分や特徴は?ワキガに関係あるの?

クリプトピロール(ピロール)は、ヘモグロビンが作られるときに一緒に作られる化合物で、体外に排出されたときには、黄色く、独特の異臭を放つ物質なのだそうです。

実際に自分がピロール尿症なのかわからない状態で「独特の異臭」と曖昧に言われても、ピンと来ず不安になります…
「酸っぱい臭いが強い」とか「魚っぽい」とか「生ごみっぽい」とか、甘いとか苦いとか焦げ臭いとか…が、わからないと具体的にイメージできないのですが、いくら調べても具体的なことはわかりませんでした。
クリプトピロールにしても、誰でも少しは出しているものなんですかね??

ただこの「クリプトピロールが体内に大量発生してした結果、体外に排出される成分に強烈な臭気があるのなら、ワキガはもちろん、すそワキガ、口臭などの、身体の嫌な臭いの原因になりそうですよね。

すそわきがとは何?原因を知って対策をしましょう!

では、ワキガの人は亜鉛やビタミンB6を摂取すればワキガが治るの??

一日着たTシャツのわきの下の部分を見てみると、ほんのり黄ばんでいて、「ピロールというのが、大量に発生しているから、より黄ばむのかもしれない…」と思うことはあります。
けれど、だからといって素人判断で、やみくもに亜鉛やビタミンB6を摂取すればいいとも思えません。
といいつつ、また飲んでみようかな…と思ってしまう自分もいます。
(医学的な照明は、現在なされていないようなので、必ずそうだというものではないです)

わきの下の黄ばみの原因はワキガ?

ワキガとの因果関係も気になりますが、クリプトピロールのが大量に作られることで、心の病を引き起こす人もいるのかもしれないなら、きちんと解明して、病気として治療のひとつにしてもらいたいなと心から思います。

ピロルリアを治す方法は?

ピロルリアの原因に関しては現在も調査・研究中のようです。
なので、はっきりとしたことはわからないながらも、効果があるのでは?と治療の一案に取り入れられることがあるのは、やはり食事療法やサプリなどによる、ビタミンB6や亜鉛の摂取、そして生活の改善の指導のようです。

クリプトピロール自体は、過剰に作られても尿として排出されますが、一緒に排出されるビタミンB6や亜鉛が体内に足りなくなれば、クリプトピロール自体も尿に排出されず、体内に留まりやすくなってしまい、結果としてピロール尿症を発症するという説もあります。

予防の最も有効な方法は、亜鉛やビタミンB6などの栄養面のフォロー、必要な栄養や足りない成分をバランスよく摂取することと言えるでしょうが、サプリの過剰摂取もまた、身体にはよくないと思いますので、自分はワキガだから、ピロルリアだ!と自己判断は絶対せず、検査を検討するなり、かかりつけ医や専門医に相談、指示を仰ぐようにしましょう。

わきがに良い食べ物と悪い食べ物を知って食事を見直す

ワキガに悩み、制汗剤やデオドラントや消毒、様々なものを試しても効果が実感できないなら、日々の食生活の見直しや、運動を行うことも大切なのかもしれないですね。

亜鉛やビタミンB6を多く含む食べ物って何?

亜鉛を多く含む食べ物は、牡蠣、煮干、ゴマなど。
ビタミンB6を多く含むのは、レバーや、にんにくなどです。

食べ物からでは、なかなか摂取しきれないときは、サプリメントなどで補充するのもいいのかもしれませんが、くれぐれも、ワキガが治るかも!と大量摂取しないようにしましょう。

ピロルリアの検査は日本でできるの?手軽に検査はできないの?

 ピロルリア検査をしてくれる病院はある?保険適用になるの?

数は多くないようですが、日本国内にはピロルリアの検査を行う医療機関があるようです。
ただ、日本ではまだ病気として認められていない「仮の病気」のため、健康保険は適用されない。自由診療となってしまうところがほとんどのようです。

検査の結果、ピロルリアと言われる症状に近い…とお医者さんが判断すれば、不足する成分を補うための食事やサプリメントの指導などのアドバイスをもらったりすることができるようです。
でも、保険が適応されないとなると、高めの医療費が気になり、どのくらい通えば効果が出るのだろう…と病院に行くのには勇気がいります。

ピロルリア検査をしてくれるキットはあるの?日本で販売されている?

以前調べたときは、海外の会社に郵送し、数週間で検査結果を返送されるタイプで2万円前後だったような気がします。
けれど、先日改めて検索してみたら、血液の検査をして「不足している成分」を調べてくれるキットや、今年の2月には、「体臭を数値化」して調べてくれるキットの販売が日本国内で始まったようです。一定期間、キットの衣類を着て、それを匂いごと返送し、判定してくれるキット?のようなものもありました。
私もとても興味があるのですが、まだ購入には踏み切れていません。興味のある方や、どうしても何とかしたい!と深刻な悩みになってしまっている方は、検査を受けてみるのはいいと(個人的には)思います。

ピロルリアの症状は、遺伝的なものなの?

もともと、遺伝的に、ピロルリアにかかりやすい人とそうでない人がいる、という学説もあるようですが、これもまた、解明されてはいないようです。

もしも、遺伝的な要素があると解明されたら、もし、自分にピロルリアが確認されたら、子供にも遺伝しているかもしれないと考えて、早い段階でにおいに対するケアが必要なのだろうな…と思いました。
もちろん、ピロルリアは関係なくても、我が子がにおいに悩む事があれば、絶対フォローして支える!と決意しています。

ワキガは遺伝する?対策しても親から子供にうつるの?

カール・ファイファー氏について、わかったこと

カールファイファー博士(1908年3月19日– 1988年11月18日)
アメリカ・イリノイ州ピオリア出身

統合失調症やアレルギーなどを専門に研究した生化学者で医師。
ウィスコンシン大学で薬理学の学士号と博士号を取得し、シカゴ大学で医学の学位を取得。ノーベル賞を2度受賞しています。

研究の大きなテーマは「生化学の不均衡」。
体内の生化学的な(ミネラルなどの)バランスの崩れが多くの心理的問題の原因であると提唱しました。
体内のミネラルなどのバランスの不均衡によって起こる疾病を、大きく3つ(または4つ)のグループに分けました。
そのひとつがピロルリア(ピロール尿症)です。

ファイファー博士は、ほとんどのうつ病の人は「うつ病の素因を持って生まれた」が、「生化学的な治療でうつ病を克服できるかもしれない」と考えました。
統合失調症の患者のミネラルの代謝の状態に着眼し、ピロール尿症という症例・病気について発表します。
博士が治療や検査に携わった統合失調症の患者は、およそ2万人にものぼるらしいです。

しかし「精神疾患は遺伝で、天然成分の投与などで治療できるようなものではない」というムードの当時の医学界では、博士の主張は簡単には受け入れられず、「検査結果の精度」などを争点に懐疑派と擁護派で賛否両論となり、迷走したまま、ピロール尿症はいまだに正式な病名とは承認されていない状態です。

博士は、のちにピロール尿症に関することを専門とする外来治療施設を設立し、回復した統合失調症患者の住宅治療施設の監督も支援。
心臓病で80歳で逝去。

※博士についての情報は、一部海外版Wikipediaから引用しました。

※確認できた著作物は「 精神疾患と栄養 うつ、不安、分裂病にうちかつ
ワキガとは直接関係がないのかもしれませんが、疾患に苦しむ人を救おうとして頑張った博士の著作、ぜひ読んでみたいです。
でもアマゾンの高額な中古本以外には在庫を見つけることができませんでした。いつか読んでみたいです。

日本では、ワキガ自体は「腋臭症」という「病気」と認められているものです。
そもそも「これが病気」「これが病気ではない」ってどう決まるんでしょうね?すごく不思議です。

まとめ

まだまだ認知度が低く、病気としての治療方なども手探り状態の「仮の病名」ピロルリアですが、体内で過剰に作られて体外に排出される「クリプトピロール」が黄色く、異臭を持つという特徴があるなら「下半身や汗をかく脇なのど不快なにおいのもとになる」という可能性はかなり高そうですね。

ピロルリアは、100年も前のお医者さんが、心を病み、バランスを崩してしまった人たちを救おうと、一生懸命解明しようとしてくれた症例です。
博士が生きているうちに医学界で「正式な病名として承認される」ことはありませんでしたが(今も曖昧なままですが)、博士は、研究を続けながら、並行して、自分が精神疾患の治療をした患者さんたちが、症状が軽くなった後に暮らせる施設の建設や運営などにも参加して、精力的にその生涯を全うしたようです。すごいですよね。

承認された病名ではないので、検査・治療をしてくれる病院もごくわずかで、健康保険の適用にもならないケースがほとんどだと思いますが、もしも、あなたが医療機関や検査キットで調べた結果、ピロルリアの疑いが濃厚だ、ということになっても、ショックを受けないでください。
博士のように前向きに、体のバランスを整える必要があると知れてよかった。指導に沿って改善すればよくなる可能性があるし、におい対策にも効果的かもしれない!と前向きにとらえるのがよいのではないかなと思います。

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